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熊本の知財をアップデートする(後編)

弁理士 松尾憲一郎さん(松尾知財事務所 会長弁理士)

2021.07.16

知財活動が遅れている地方。熊本もその一つ。戦う弁理士 松尾憲一郎を熊本に招き、熊本発の知財を武器に戦う事業者とつなぐ。また、熊本の知財をアップデートする。フィールドワークスの大切な活動の一つです。

松尾先生プロフィール

1942年生まれ。福岡県出身。九州大学法学部卒業後、1971年矢野特許事務所入所。1975年に弁理士登録し、1977年に松尾特許事務所を開設する。2003年には日本弁理士会副会長を務めた。特許庁長官表彰、旭日双光賞を受賞。

松尾特許事務所の強み

古家

(事務所のために営業したりもしていたという松尾先生の話を聞き)はー、当時から。

松尾

そんな時、ヤンマーが2年は仕事くれるって言ってくれることがあって、ならば「よし!独立しよう!」って思い切りました。私、技術者、タイプライター、図面、事務の5人でのスタート。

古家

わー、ヤンマーさんすごい!

松尾

結局、ヤンマーさんは、いまだに40何年間か付き合いがあって、面倒見のいい会社だよね、すごいよね。

古家

最初は5人スタートで、今は何人いらっしゃいますか?

松尾

22−23人。うち、弁理士は5人。

古家

今まで一番依頼が多かった時の年間出願件数は何件くらいですか?年間600件くらい?

松尾

そうね。その頃は、40人くらいだったかな。東京に10人以上いたし。ヤンマー関連で岡山にも事務所があったな。

古家

すごい。

松尾

そうね、思い出すと、結構いろいろなことやっていたなと思う。アルゼの仕事だけのために、東京で7−8人くらい雇ったり。年間200件くらいあるんだから。アルゼだけで。

古家

うわー、いい時代ですね。けど今は、大企業もどんどん出願件数減ってきていますよね。

松尾

Panasonic、当時はNationalと言っていたんだけど、年間1万5千件くらい。日立が年間2万件くらいだったかな。ヤンマーも年間何千件とあって、上位100社だけで90%ほどを占めていた。

古家

当時と企業との付き合い方、仕事の仕方ってきっと変わってきていますよね?

松尾

当時は、仕事の中身をどうこう言われることはほとんどなくて(笑)。

古家

数が必要だったって感じですね?

松尾

そうそう。数をこなせることが求められていた。今は、中身を精査して、3件を1件にまとめるとか。だから、仕事の質が全然違っていたよね。当時は、鼻歌交じりで明細書書くみたいなね(笑)。

古家

ははは(笑)。僕も一回だけ、数のパワーみたいなのを感じたことがあって。

松尾

うんうん。

古家

大学の案件を束で80件、相手の何十件を、クロスライセンスで。一件一件を見てられないから、束で行こうと。出したもん勝ちみたいな。

松尾

はーー、そう言うね。

古家

相手の特許を精査している時間のコストがもったいないって感じで。

松尾

設計部門で尻叩いて、実施できないようなものでもとにかく出せって、ね。

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